前回からの続き、柏木孝文小説の第7回から第9回までを紹介する。
第7回(2001年11月19日投稿)
217 名前: ☆超電波空想謀略犯罪幻想大河私小説・不定期第七回 投稿日: 01/11/19 15:54 ID:+4Ww6ZFd
《醜 魔 派 始末記》 作・スミオヤジ
※(推敲大甘/視点無視)
彼の追憶――脳内会話はさらに続いていた…
神:「明暗を分けた元同志だからこそ、
類似者に対して事前に慎重な配慮、
気遣いがなされるべきだったと?」
彼:「そのとおりや!!!」
神:「ふむ…仁義や侠気や道義・
人情に関わる問題かのう、、、」
彼:「建前掲げて全国で商売しとる、
少年雑誌の前線に立つ者なら、
当然問われるべき資質やと思うで」
神:「むうぅ…メディアの大きさに
適合した、人格の高潔・大器か…」
――突然、彼の追憶は断ち切られた。
視覚がモニターの変化に反応してしまったからだ。
反応を促したものは、スクリーンセイバーだった。
どうやら、十五分以上も脳内会話に没頭していたようだ。
つづく
第8回(2001年11月20日投稿)
268 名前: ☆超電波空想謀略犯罪幻想大河私小説・不定期第八回 投稿日: 01/11/20 16:37 id:OS2BiTpl
《醜 魔 派 始末記》 作・スミオヤジ
※(推敲大甘/視点無視)
眼前の画面の中で、
ショッキングピングの色彩を基調とした、
POPなビル街-ニューヨークの街並みが
描かれていて、
横方向にループスクロールを
続けており、
ライトグレーの小さなUFOが
フワフワと飛び回っている。
「ボニーピンク」という、
女性歌手の描いたスクリーンセイバー。
弟が、
彼女の新譜を購入した際、
初回特典としてディスクに
収録されていたものだ。
頼まれて、試しに愛機へ
インストールして以来、
そのままになっているのだ。
つづく
第9回(2001年11月24日投稿)
779 名前: ☆超電波空想謀略犯罪幻想大河私小説・不定期第九回 投稿日: 01/11/24 14:13 ID:2lmdcYsW
《醜 魔 派 始末記》 作・スミオヤジ
※(推敲大甘/視点無視)
彼は、
少しの間ぼんやりと、
モニター内の、
のどかな蠢きを眺め続けていたが、
不意に眼を見開いた。
画面内を飛んでいる小さなUFOが、
例のテロ事件で倒壊した
双子のビルディングを通過したからだ。
小さなUFOはフワフワと、
何気なく、
双子のビルを通過していった。
双子のビルの絵にも変化などは無い。
当然ながら、
双子のビルが描かれた時期は
テロ事件の前だったのだろうし、
描いた女性歌手にしても、
万に一つも事件を
予想しなかったことは
確かであろう。
のどかに描かれた画面に反した皮肉性。
彼にとっては妙に気になることだった。
つづく
明日に続く