加熱済み宇宙食4691パック

はてなダイアリーより移行

超電波空想謀略犯罪幻想大河私小説・《醜 魔 派 始末記》(完結編)

前回(第22回〜第25回)の続きです。
柏木孝文はここからという所でダイジェストにしてしまったのでこれで完結である。
2002年2月28日昼の出来事であった。

梗概1(2002年02月28日投稿)

479 :◎判決前にこそ、遺しておこう。【私小説の梗概】 :02/02/28 13:02 id:S5uPqOrv


−「改名闘争」勝利のために尽力し続ける主人公の《彼》。
しかし途中で行き詰まり、
深夜の長居公園に行って自然の癒しを求める。
そこで、浮浪者の遺体の残留思念と接触した《彼》は、
瞬時にして数十年分の経験情報を学習し、
強靱さと老獪さを備え持つことに成功する。
そして、復讐完遂への決意を強固にする。


《彼》は急激な変化で興奮した自身を鎮めるために、
大和川の河川敷を訪れる。そこで《彼》は、
しゅーまっは」第一巻において惨殺された
タコ型の異星人の相方を名乗る、《星人》に出会う。*1
《星人》は、《彼》に共闘を申し入れる。
《奴》への復讐という共通の大目的のために。


《彼》と《星人》は意気投合し、
《彼》の私念エネルギと《星人》の
スーパーテクノロジを組み合わせて
「巨大なる復讐計画」を立案し、押し進めてゆく。
計画が進行する過程において、様々な人物の愛憎と
事件の悲喜こもごもが絡み合い、複雑な展開を見せてゆく。
そして…

梗概2(2002年02月28日投稿)

480 :◎判決前にこそ、遺しておこう。【私小説の梗概】-2 :02/02/28 13:04 id:S5uPqOrv


《彼》と《奴》、両陣営は長期に渡る抗争の果てに
多くの仲間達を失い、最終決戦の一騎打ちに突入する。
場所は議事堂前広場。無人である。
決戦の前夜に直下型地震が都心と原発を襲い、
日本全土に甚大な被害をもたらしていたからだ。


瓦礫と化した議事堂前で死闘を続ける両者。
共に肉体改造を極限まで進めた戦闘体として
能力を発動している。


長い長い闘いの末に、決着の時が訪れる。
両者の混一撃が互いの急所を打ち砕き、
相打ちかと思われた。
しかし、《奴》の肉体には「再生機能」が
備わっていたのだ。
《彼》は薄れゆく意識で「敗北」を悟る。


だが、次の瞬間に奇蹟が起こる!
《彼》の意識とリンクしていた『黒帝』が、
異界から作者を救うべく顕現したのだ!*2
黒きオーラを感じながら、黒帝の勝利を
確信して《彼》は息を引き取る。

梗概3(2002年02月28日投稿)

481 ::◎判決前にこそ、遺しておこう。【私小説の梗概】-3 :02/02/28 13:04 id:S5uPqOrv


再生した《奴》は全能力で黒帝に挑むが、
すべての攻撃が黒きオーラに阻まれ、
やがて《奴》自身の肉体が魔煙に包まれて
急速に炭化・分解されてゆく。
黒帝は勝利を確認さえせずに、
《彼》の遺体を抱え上げて宙に舞い、
虚空に消えた。


同時に、炭化した《奴》の全身は再生することもなく
崩れ去った。が、《奴》の片耳だけが路面に落ちていた。
死を逃れた唯一の《奴》の肉片。しかし、そこまでだった。
遺された片耳にも再生機能が存在していたが、
肉片の切断面は黒一色だった!
その周囲でピクピクと微かな蠢きが続くのみで再生は進まない。
やはり黒帝の勝利は完全だったのだ。
もはや思考も再生も叶わぬ《奴》の片耳が、
みじめに蠢き続けるのみであった

梗概4(2002年02月28日投稿)

482 :☆判決前にこそ、遺しておこう。【私小説の梗概】-完 :02/02/28 13:06 id:S5uPqOrv


異界に帰還した黒帝。
そして《彼》の遺体。
黒帝は自室の壁面を埋めた膨大な蔵書の前に立った。
床に《彼》の遺体を降ろして口づけを施す。
急速に遺体の色彩・輪郭が希薄になり、透明化していき、
やがて消えた。


代わりに、《彼》の遺体があった床には、
一冊の分厚い皮装本が置かれていた。
黒帝は黙って無表情で本を手にして
玉座に戻り、読み耽った。
途中、妻の白仙が来て、無言で目を閉じたまま
薬湯を注ぎ、黒帝の脇に置いて去った。


数刻の後、黒帝は本を読み終えて、書架の一冊として安置した。
分厚い本の背表紙には、


『醜魔派始末記』と記されていた。


 ―― 完結 ――


柏木の投稿小説はこれで終了。次からは柏木日記の公開に移る
明日に続く

*1:タコ型宇宙人は「しゅーまっは」第7話に登場する。ちなみにこういう姿である。何で柏木がこの描写を入れたのか不明。

*2:デウス・エクス・マキナという手法である。断じてご都合主義ではない