加熱済み宇宙食4691パック

はてなダイアリーより移行

続・あの名作に悪意を込めた批判的文章を付けてみた


理屈と膏薬は本当にどこまでも付くかどうかを試す。

水戸黄門

悪の代官を、隠密行動をした権力者が懲らしめる。なんというトップダウン。なんという受身。これは日本人を骨抜きにする悪の時代劇である。この水戸黄門(水戸光圀)という奴はドラマでも十分悪だが、史実は輪をかけて悪である。大日本帝国を破滅に追いやった鬼畜米英・神国日本という誇大妄想のバックボーンとなる水戸学の成立は、水戸光圀が「大日本史」という勤皇思想を混ぜこぜした歴史書を編纂させた事に始まるわけだからな。

横山光輝の中国物(水滸伝三国志項羽と劉邦殷周伝説)

横山光輝の中国物が主に連載されていたのは、創価学会系の雑誌である。ちなみに鉄人28号の完全復刻版も潮出版から出ている。その中国モノが連載されだした時期は日中友好の直前であり、中国に対して好意的な感情を抱かせるための下地作りとして人気作家が利用されたのではないだろうか?藤子不二雄A先生が「忍者ハットリくん」で、中国から来た忍者少年と友好を結ぶという話を書いた例もあるし、ありえない話ではあるまい。そして連載順に作品を並べると「水滸伝(宋)」→「三国志(後漢三国時代)」→「項羽と劉邦(秦)」→「殷周伝説(殷・周)」と時代が昔に昔に言っている事にも注目されたい。近現代の中国のしょっぱいイメージを読者に感じさせずに昔の中国のファンタジーな部分だけを巧妙に刷り込んでいくためには描く時代は近代から離れていく事が必要である。考えてみれば昔の漫画作品を見ると中国を雄大で牧歌的なイメージで描いたものが結構あるような気がする。「らんま1/2」「ドラゴンボール」「拳児」「ラーメンマン」…それらの現代中国とはかけ離れたノンキなイメージが流布したのも横山光輝辺りにその起源が求められるのであるまいか。