一部のファンに妙な人気のあるキャラクターっていうのがネット上にはよくある。本編のでほんの僅かしか出ていないゲストキャラを弄りまくって遊ぶ奴である。
例1「栗木拓次」
板垣恵介『グラップラー刃牙』第22巻、秋田書店<少年チャンピオン・コミックス>、1996年、134頁。
「グラップラー刃牙」の最大トーナメント編にリザーバー出場した空手家。本編では怪物・夜叉猿Jrにぶちのめされて逃げただけのチョイ役でしか無いのだがが、ネット上で一部のバキファンに設定やら何やら弄られてコアな人気を誇る。
例2「ハルパゴス」
「ヒストリエ」のエウメネスの話に出てきたペルシアの将軍。わずか数ページの登場ながら「ばーーーーーーーっかじゃねえの?」というセリフのインパクトによりネットの一部のファンに愛されている。
例3「ミスミじいさん」
「北斗の拳」の初期に登場したゲストキャラ。悪党どもから種籾を守ろうとして命を落とす。ケンシロウは悪党に制裁を加えるがじいさんの墓に種籾をまいて無駄にしてしまった。この報われぬ「種籾じいさん」も一部のファンに愛されている。
さて上記のキャラクター達は漫画を普通に読んでれば意識にも登らない脇役にすぎないわけだ。脳噛ネウロの「ドーピングコンソメスープ」にしたってネットで面白おかしく語られなければコアな人気を得たかどうか。で「東方Project」であるが、東方に登場するキャラクターは主役から脇役まで全部「種籾じいさん」や「栗木拓次」のように、ファンの間で好き勝手にネタ・設定を付け加えられているわけである。「二次創作」といえば聞こえはいいが、単なる楽しいキャラいじりである。それ以上の意味は無い。
- 「風神録」4面の中ボスに出ただけで「文の部下で苦労人」なキャラ像にされた「犬走椛」*1
- 「萃夢想」で胸を大盛りに描かれただけでPAD長なるキャラ付けがされた「十六夜咲夜」
- 「妖々夢」で当たり判定が広めの為に「ふとましい」キャラ付けがされた「レティ・ホワイトロック」
どれもささいな事を針小棒大に膨らました結果である。東方Projectなるものの隆盛は通常一部のファンが脇役に行う「キャラいじり」を、「大多数のファンが全てのキャラに対して」行った事によるものである。だから普通に他作品を楽しむだけの静かなファンに比べてどうしたって声は大きくなる。よってうざがられるのも理解出来る。
この「大多数のファンによる全キャラいじり説」を用いれば「三月精」や「儚月抄」などのいわゆる書籍組の同人人気がイマイチなのにも説明が付く。例えば上の例で挙げた「ハルパゴス将軍」の「ば〜〜〜〜〜〜っかじゃねぇの!?」ネタであるが、このネタを面白がっている人が「ヒストリエ」を雑誌か単行本で読んでいるか?と言えば、ゼロでは無いだろうけどそう多くは無いだろう。「種籾じいさん」や「栗木拓次」も似たようなものだ。東方ネタで盛り上がっているかと言って「三月精」や「儚月抄」にそのまま手が伸びるかは別問題なのである。盛り上げるには下のようないじりがいのある「ネタ」が必要なのである。いじるネタが1コマでもあれば自然とネタにされていくだろう。
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