加熱済み宇宙食4691パック

はてなダイアリーより移行

奴隷

宇宙船レッド・ドワーフ号の小説版を読んで、心に引っかかったくだりをメモ

クライテンを見ていると、なぜかひどく落ち着かない気分になるのだが、その理由がよくわからない。クライテンは奴隷で、リスターはそれが気に入らなかった。どういうわけか、人類は他人を奴隷にせずにはいられないらしい。黒人という奴隷、階級という奴隷、主婦という奴隷、そしていまはメカノイドという奴隷。そのときふと気がついた。気にさわるのは奴隷だということではない。もちろんそれも気にさわるが、もっと気にさわるのは、クライテンが喜んで奴隷をやっていることだ。文句も言わず、それどころか進んで命令に従っている。うれしそうに奴隷をやっている。それが気にさわるのだ。


「宇宙船レッド・ドワーフ号」小説版第1巻258ページより抜粋