今月のコラムの冒頭に
売上の一部が義援金に 初夏に新潟の地酒を呑む!
とあるように第18回と同じく「復興応援フェアの一環」である。呑みどころは新宿三丁目にある新潟地酒の店「ぼんや」。新潟のお酒と郷土料理が売りの店だそうな。ぶっちゃけて言えばコンプエース8月号のレポートコミックで取り上げられた店である。
今回の東方挿絵
ビールにこだわりのあるZUNさんは、新潟の日本酒を呑む前に新潟の地ビール「スワンレイクビール」を注文。ところで自分「スワンレイクビール」って聞いたことなかったので家族に知ってるか聞いてみたら、「スワンレイクビールも知らないの?そんなんじゃ甘いよ(迫真)。このコラム書いてる人も取り上げるの遅すぎィ!!」と迫真の回答。ふふ・・俺の音速の遅さを舐めないほうがいいで。
ところでZUNさんは、基本的にコラム中で自分のゲームの話に触れる事はあまりないが、この「ぼんや」に「奴奈姫」という新潟の地酒があった事から話は日本神話へと及び…
この店には『奴奈姫』というお酒がありました。奴奈姫とは古事記に登場する大国主の妻の一人、奴奈川姫の事です(ちなみに大国主には妻や子供がたくさん居ます)。この奴奈姫の息子が建御名方(タケミナカタ)なんですねー。自分の実家のすぐ近くに源流が有る姫川の名前の由来がこの姫にちなんでいるんですよ。そこからゲームのネタ*1に取り入れたりさせて頂きました。
と「東方風神録」まで話が及んだ。このモチーフ、ZUNさんの地元ネタだけあって本当お気に入りなんだなぁと再確認。
東方儚月抄上巻15頁
東方儚月抄上巻23頁
博麗の巫女も野獣の目線になる程度のイケメン。それが大国主命。「古事記」を見るだけで多くの女神を妻にしているジゴロっぷりがわかるだろう(馴レーション)。
「古事記」には、八千矛神(大国主命)が高志の国*2に沼河比売(ヌナカワヒメ)って才色兼備な女神が住んでいる事を聞きつけて、結婚を申し込みに行った話がある。その後沼河比売がどうなったのかは古事記の記述は無いが、ウィキペディアの沼河比売の記事には「新潟県糸魚川市に残る伝承」として
としてある。(裏取りしてる訳じゃないのであくまで参考程度)
それにしても「建御名方」ってホント妙な神だなぁって思う。「古事記」の大国主命の系譜に名前が全く挙がってこないくせに*3、武甕槌に攻め込まれたときに、ラオウの息子バリに唐突に登場するわ、巨大な岩を動かして力強さをアピールしたかと思えば武甕槌に少年漫画のかませ役ばりにボロ負けするわ、はるばる遠くの科野国(諏訪国)まで逃げて追いつめられて「命だけは勘弁して下さいオナシャス!何でもしますから」とクッソ情けない命乞いをしたにも関わらず軍神として祀られて、神功皇后、藤原秀郷、武田信玄と言ったバリバリの武人に信仰されているミステリー。日本の古代史は複雑怪奇やでぇ…
ともかく新潟のお酒を呑み、新潟の郷土料理をつまんでZUNさんが楽しそうでなによりです。(優等生並のまとめ)
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