前回三月精の感想を書くために古文真宝を借りてみたが、感想の為とか抜きに見るべき名詩名文ばかり。で、勧学文(学問のススメ)で気になったのを2つほど紹介。
仁宗皇帝*1勧学
朕無学の人を観るに、
物の比倫するに堪ふる無し。
若し草木に比せば、
草に霊芝有り、木に椿有り。
若し禽獣に比せば、
禽に鸞鳳有り、獣に麟有り。
若し糞土に比せば、
糞は五穀を滋し、土は民を養う。
世間限り無き物、
無学の人に比する無し。
(星川清孝『新釈漢文大系 第9巻 古文真宝(前集)上』、明治書院、1967年、7-8頁)
皇帝が「学問の無い人間ってのはこの世のあらゆるモノよりも価値が無い!」と断じた強烈な詩。ハートマン軍曹*2や利根川さん*3の声が脳内に響いてくるようだ。
朱文公*4勧学文
謂ふこと勿かれ、今日学ばずとも、而も来日有り、と。
謂ふこと勿かれ、今年学ばずとも、而も来年有り、と。
日月逝きぬ。歳我と延びず。
嗚呼老いぬ、是え誰の愆(あやまち)ぞや。
(星川清孝『新釈漢文大系 第9巻 古文真宝(前集)上』、明治書院、1967年、19頁)
「今日勉強しなくても明日があるとか、今年勉強しなくても来年があるとか言ってはいけない。時間は戻らないし待ってはくれない。ああ私は老いてしまった。これを誰かのあやまちと言えようか、いや自分自身のあやまちである。」
どんな時代になろうとも通じる至言。「明日からがんばる」と言ってるようではダメ。
- 作者: 星川清孝,白石真子
- 出版社/メーカー: 明治書院
- 発売日: 2003/01/01
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