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板垣恵介の読切『蹴人シュート』の初出についてのメモ


格闘漫画家・板垣恵介が描いた『蹴人シュート』という作品がある。板垣恵介ファンサイト「だったらイケるぜ!」の日記でその作品名をチラっと見て以来何となく気になっていた。先日、本格的に調べてみようと思い立って検索してみると

えいじ 2011/01/04 02:52
板垣恵介の読みきり漫画に「蹴人シュート」という作品があります。
夢枕獏が編んだ格闘小説・漫画アンソロジー『闘人烈伝』に収められていますが、巻末を見ると初出は2000年1月25日週刊少年チャンピオン増刊号とあるので、Wikipediaホーリーランドの項を信頼すると板垣作品の方が先みたいですね。
ちなみに内容はムエタイの師匠チャンパー・ギャッソンリットがなんでもありの大会に出て柔術家ロイス・グラッシーに完膚なきまでに敗れ、復讐を誓った少年・原島がファーストコンタクトの一撃に賭ける・・・という初期UFCや実在格闘家を下敷きにしたお話です。
結末はカラッとしていて、実にいいです。

悲喜交錯の大晦日。完敗青木、復帰の川尻、接戦の高谷、判定の石井…


上記のブログコメントによると2000年のチャンピオン増刊に掲載され、『闘人烈伝』という本に収録されているのか。と安心していた所、別の人のページでは…

収録されている単行本では、初出が2000年の刃牙増刊になってましたけど、確かもともとは格闘技漫画オンリーの単発雑誌(タイトルは忘れました…)の中に収録されていたような記憶があります。

1月4日に書きそびれたこと①(板垣恵介先生の「蹴人 シュート」の件)


このブログによるとチャンピオン増刊で掲載されたのは再録で、初出は別雑誌らしい。で、ちょっとその雑誌が何であるか少し考えてみた。


  1. 格闘漫画オンリーをウリにした雑誌であるらしい
  2. ならば一目見ただけで「格闘漫画オンリー」とわかる必要がある
  3. 雑誌のタイトルに「格闘」という文言が入っているに違いない


と推理して、国会図書館サーチを用いて「格闘」と名のつく漫画雑誌を捜してみた。すると



宙出版の「コミック格闘王」という雑誌名がヒットした。国会図書館のデータによれば2冊分(1994年10月発行分と1995年2月発行分)しかないのでほぼ単発と言っていいだろう。これを国会図書館に足を運んで資料請求してみると




宙出版編集「コミック格闘王」vol.1 1994年10月25日発行)


「コミック格闘王」Vol.1の表紙に板垣恵介の絵と『蹴人シュート』というタイトルが確認できる。雑誌のキャッチコピーはファミコンより面白い最強格闘技コミック誌!!」。とにかくすごい対抗意識が伝わってくる。この雑誌で『蹴人シュート』が巻頭カラーを飾ったのである。で、後にチャンピオン増刊に掲載され最終的に「闘人烈伝」に収録されたという次第。これで積年のモヤモヤが一つ解消された。『蹴人シュート』について書いたブログよアリガトォオオ!



闘人烈伝―格闘小説・漫画アンソロジー

闘人烈伝―格闘小説・漫画アンソロジー